Up <情報システムを物にしていく>と同型 作成: 2016-04-03
更新: 2016-04-03


    原発は,<原発を物にしていく>の途上である。
    原発は,<物にしていく>の一般過程を免れるものではない。
    特に,<原発を物にしていく>は,<情報システムを物にしていく>に同型を見ることができる。
    (総じて,「原子力立国」は,「情報立国」に同型を見ることができる。)

    <情報システムを物にしていく>は,試行錯誤のプロセスである。
    導入したシステムは,「使い物にならない」から始まる。
    トラブルがあたりまえで,これのフィックスに明け暮れる。
    最初は,手探り。
    そして,だんだん勝手がつかめてくる。
    システムは,パッチ当てと改造で進化する。
    しかし,ときに大きな事件 (インシデント) が起こる。

    情報システムは,この進化過程のつねに途上である。
    事故は,つきものである。
    最近では,ANAシステムがダウンした。
    シスコ製スイッチの故障(バグ)が原因であるという。
    システム障害は二日にわたり,欠航した便数はANAの国内線だけで148,7万人以上の利用者に影響。

    原発も,<物になる>の一般過程を免れるものではない。
    原発は,<物になる>のつねに途上である。
    トラブルは,つきものである。
    実際,大小様々頻繁にトラブルと遭遇してきたことが,福島第一原発事故後,だんだんと明らかにされてきている。

    情報システムに鑑みても,原発はかなり不細工なものであると見ておくのが妥当である。(所詮,人間が考え,つくる物である。)
    原発は,安全であるはずがない。
    事故の無いものであるはずがない。
    そして,これの「事件 (アクシデント)」は,「大災害」を意味する。
    原発に付き合うとは,これらを丸ごと承知の上で付き合うということである。