Up 「世論調査」による世論誘導 作成: 2020-08-10
更新: 2020-08-10


      読売新聞, 2020-06-06
    「帰省自粛を」76%
    「重症化不安」73%
     読売新聞社の全国世論調査で、今年のお盆期間中の帰省に対する考えを聞くと、「(新型コロナウイルスの)感染が拡大する恐れがあるので自粛すべきだ」が76%に上り、「感染防止策を徹底していれば問題ない」の22%を大きく上回った。
     地域別にみると、「自粛すべきだ」が最も多かったのは北海道・東北87%、最も少なかったのは近畿67%。関東で は75%で、東京に限ると67%で近畿と同じ水準だった。
     政府が、7月から旅行代金の割引などで観光を支援する「Go To トラベル」事業を開始したことについては「適切ではなかった」が85%に達した。「適切だった」は10%。この事業は東京を除く46道府県で始まったが、「適切ではなかった」と答えた人の割合は、地域別や都市規模別でみても大きな差がなかった-
     自分が新型コロナに感染して重症になるのではないかという不安を感じている人は、「大いに」20%と「多少は」53%をあわせて73%に上った。 感じていない人は「あまり」21%と「全く」6%の計27%。
    年代別にみると、感じている人の割合は年齢が上がるほど高くなり、18〜39歳は62%、40〜59は72%、60歳以上は80%に達した。


    新型コロナ感染の重症は,血栓形成などのサイトカインストーム症候群である。
    これは,体の免疫機能の暴走であり,ウィルスを破壊した後,続けて自分の体を破壊するというものである。

    新型コロナの重症化率は,どのくらいか。
    新型コロナはむしろ「ただの風邪」であることが見えてきたが,重症化率を考える都合から「せいぜいインフルエンザ並み」( インフルエンザ流行の規模) としておこう。
    インフルエンザの年間死亡数 3300 に対し,重症者数はその倍よりすこし多い 7000 とする (実際は,もっと少ないだろう)。
    インフルエンザの罹患者数は推定値で 1200万人なので,感染者数はその倍よりすこし少ない 2000万 とする (実際は,もっと多いだろう)。
    そうすると,感染者の重症化率は「1万人のうち 3.5人」。
    新型コロナは感染しても無症状・軽症がほとんどなので,感染者の重症化率を「1万人のうち1人」にしても大き過ぎるくらいだろう。

    読売新聞の調査では,73%のひとが「自分は感染して重症になるかも」と思っている。
    「自分は感染するかも/既に感染したかも」は,確率 100% と思っていればよい。
    しかし,「自分は重症になるかも」は,確率 0.01% (「1万分の1」) である。
    ひとは,確率 0.01% で当たるのが良いことだったら,自分にはまず当たらないと思う。
    しかし,悪いことだったら,73%のひとが自分には当たるかもと思う──というわけだ。

    ひとのこの非理を自分も含めて増長させているのが,マスコミである。
    実際,上の記事は,
      《「自分は感染して重症になるかも」と思うのが常識だ (→ 良識だ) 》
    をひとに思わせようとしているのである。


    備考:日本人の人口
総務省統計局「2020-02-01現在 (確定値)」
年齢階級 人口 (万人) 割合
0 〜 4 464.8 2061.9 17 %
5 〜 9 500.4
10 〜 14 528.2
15 〜 19 568.5
20 〜 24 595.7 2551.1 21 %
25 〜 29 587.2
30 〜 34 640.9
35 〜 39 727.3
40 〜 44 842.9 3420.4 28 %
45 〜 49 966.1
50 〜 54 846.4
55 〜 59 765.0
60 〜 64 738.9 3187.4 26 %
65 〜 69 846.1
70 〜 74 887.4
75 〜 79 715.0
80 〜 84 534.4 1126.9 9 %
85 〜 89 364.3
90 〜 94 178.4
95 〜 99 49.8
100歳以上 7.3 7.3 0 %
計 12355.0