Up 「抗ウィルス薬」とは 作成: 2020-05-04
更新: 2020-07-07


    ウィルスに対する薬──抗ウィルス薬──とはどんなものか?

    ウィルスは宿主細胞の中で繁殖するが,インフルエンザウィルスだと,これは
      1. 侵入
      2. 脱殻
      3. 複製
      4. 遊離
    のように進行する。
    そこで,このどれかのフェーズを阻害するというのが,抗インフルエンザウィルス薬の考え方になる。
    実際,つぎの3タイプの薬が研究されている:
      1. 脱殻阻害:M2蛋白機能阻害薬
      2. 複製阻害:RNAポリメラーゼ阻害薬
      3. 遊離阻害:ノイラミニダーゼ阻害薬


    「抗ウィルス薬」は,机上の理屈である。
    実現できるものではない。
    厖大な数のウィルス個体それぞれにアクセスする方法が,立たないからである。

    「抗ウィルス薬」と銘打っているものはあるが,効果を期待するものではない。
    「専門家」の評価も,「発症して間もない時に服用すれば症状が少し抑えられる」くらいに留まる。 ──「その期間を過ぎれば効果は無い」ということ。

    そしてその「発症して間もない時に服用すれば症状が少し抑えられる」だが,これは体の自然免疫の効果と区別をつけられるものではない。
    眉唾ものなのである。
    さらに,「体の免疫の働きをじゃまするだけでは?」とも疑われてくる。

    そのうえに,副作用の心配がある。
    薬は全身投与である。
    成分の化学物質は,感染細胞への選択性が低ければ,基本,全身にわたる。
    どこで何をしでかすかわかったものではない。
    「副作用」の言い方をしているが,これが甚大なら「副作用」が薬の主作用だということになる。