Up ウクライナの状況を利用する 作成: 2022-06-16
更新: 2022-06-16


読売新聞, 2022-06-16



    大衆は,ウクライナの状況に対し,はじめは義憤する。
    それからだんだんと飽きていく。
    そして,無関心になる。

    商いや政治は,大衆とは違う。
    商いや政治は,ウクライナの状況とどう付き合うのがよいか,どんな利用の仕方があるか,を考える。


    実際,「ウクライナ支援」連合国にとってウクライナは,負けられては困るが,勝ってもらっても困るというものである。
    こうして,「殺さぬように生かさぬように」が「ウクライナ支援」の方法になる。
    武器の「支援」だったら,つぎのようになるわけである:
     「 米欧に要請した兵器のうち,受け取ったのは10%しかない」
     「 ドイツやオランダが4月に支援を約束した榴弾砲12門は今月10月時点で1門も届いていない」


    爆撃に曝されている者,既に死んでしまった者にはたまったものではないが,商いや政治は<悲惨>が利用価値になるのである。
    実際,日本の場合だと,つぎのような具合になる:
      ロシアのウクライナ侵攻が,軍備増強,憲法への自衛隊明記の後押しになる。
      ロシアへの「経済制裁」による化石燃料不足と電力供給危機が,原発再開の後押しになる。