Up 気管・気管支の絨毛細胞 作成: 2022-03-16
更新: 2022-03-16


    気管・気管支の内面は,粘液で覆われている。
    この粘液は,上皮細胞の隙間から血液が滲出したものである。

    この粘液は,吸い込んだ異物を付着させる効果がある。
    そこで,粘液排出のしくみがこれに合わさると,異物の排出ができることになる。

    粘液を排出するしくみは,上皮細胞の絨毛である。
    ──気管・気管支の上皮細胞は,表層が絨毛細胞である。
    絨毛の蠕動によって,粘液が喉の方に送られる。

    絨毛の蠕動運動は,非選択的で一定していることになる。
    実際,喉に上ってきた粘液は,通常意識されない。
    しかし異物の量が多くなると,粘液の粘度が増し,排出に負荷がかかり,喉に上ってくる粘液が意識されるようになる。
    「痰」とは,この状態の粘液を指しているわけである。