Up 間違いだらけの「毛細血管」 作成: 2022-03-17
更新: 2022-03-17


    組織細胞における血流は,どのようなものか?

    一般的なテクストは,つぎのような「毛細血管」の絵を描く:
https://www.britannica.com/science/blood-vessel より :


https://www.britannica.com/science/capillary より :


    組織細胞の酸素・二酸化炭素交換は,このモデルで説明できるか?

    このモデルだと,全ての細胞に,上下水道として「毛細血管」が配管されていなければならない。
    それはどんな配管か?
    1. 各戸に1本配管?
    2. 地区ごとに1本配管?

    組織細胞は,3次元配置である。
    よって,「地区ごとに1本配管」はあり得ない。
    ──細胞は,上下水口まで移動できない。
    結局,「各戸に1本配管」ということになる。
    これは,とんでもなく複雑で高コストな上下水システムである。
    体は,こんなシステムは採用しない。


    血管とは,血液を遠隔に運ぶ輸送路である。
    毛細血管も,まだ輸送路のうちである。

    血液と組織細胞の位相関係は,「川と魚の群集」「川と水草の群集」である。
    毛細血管の先は,管が無くなって「川」になる。

    この「川」は,再び毛細血管に回収される。
    なぜ血液が拡散する一方とはならず,収束するのか?
    血流は,加圧・減圧のメカニズムがつくる流れだからである。
    上流からの加圧で拡散した血液は,下流からの減圧で吸収される。


    毛細血管の絵──赤い上水が青い下水に変わる絵──は,間違っているのか?
    そう,間違っているのである。
    思い込みと教育は恐ろしいもので,ひとは,「専門家」を含めて,この間違った絵をずっと信じて今に至る。

    もっとも,学術とは所詮こんなものである。
    ひとのすることであるから,ひとの愚かさを超えるものではないのである。