Up 飢餓 : 要旨 作成: 2016-03-19
更新: 2016-03-19


    生物は,飢餓が常態になる。

    食物の大量供給の事態が発生すると,生物は爆発的増殖でこれに応じる。
    爆発的増殖は,食物の大量供給をたちまち相殺する。
    併せて,食物再分配ないし「独り占め」競争で,系は大いに攪乱される。
    そして,飢餓への回帰を以て,均衡相に至る。

    さらに,大量供給の事態が止むときは,増殖した分が死滅しなければならない。
    ──爆発的増殖には,大量死が応ずる。

    生態学的には,食物が与えられることは,おなかが満たされることではなく,増殖できるようになることである。
    そして,増殖は,<食物獲得を相争う者>の増殖である。
    食物獲得の競争は,全体的飢餓で安定する。
    生態系がその都度安定相を更新するとは,生物がその都度飢餓を更新するということである。


    これは,食物支援がなぜ飢餓問題の解決策にならないかを,説明する。
    食物支援には,人口増加が応じる。
    食物支援は,人口増加で相殺される。
    併せて,食物再分配ないし「独り占め」競争で系を攪乱する。
    そしてこの結果は,ただの飢餓の更新である。
    さらに,食物支援は,《これが打ち切りになることは,増殖した分だけ死滅すること》を含蓄する。
    支援が大がかりであれば,これが打ち切られたときの結果は,大量死である。

      善意の支援は,有効な支援ではない。
      むしろ,実際効果において,悪質である。