Up 遺伝子は「設計図」ではない 作成: 2016-03-24
更新: 2016-03-24


    遺伝子は,よくつぎのように説明される:
      遺伝子は,どのような体になり,どのような生き方をするかの設計図
    この説明は,間違いである。

    遺伝子は,タンパク質生成の手順書である。
    それ以上のものではない。

    生成されたタンパク質は,自動運動する系の構成に与る。
    体格好,生き方は,系の自動運動の現象である。
    ここには,指揮者 (プログラム) は存在しない。
    ──実際,このような複雑系を指揮できる者など,いない。

    遺伝子は,タンパク質生成の手順書である。
    それ以上のものではない。
    特に,タンパク質生成は,遺伝子の機能ではない。──コンピュータプログラムの適用がコンピュータプログラムの機能ではないように。
    つぎが,この場合の正しい表現である:
      《<系の自動運動のいろいろ>のなかに,
        遺伝子の登場となるところの<タンパク質生成>がある》