Up 寄生 (他者利用) 作成: 2017-05-27
更新: 2017-05-27


    <生きる>は,<外界利用>である。
    この<外界利用>のうちに,<他者利用>──即ち<寄生>──がある。

    <生きる>は,<生きる>の効率化を含む。
    <生きる>の効率化は,<外界利用>の向上である。
    この<外界利用>の向上のうちに,<寄生>の向上がある。


    <寄生>の極みは,《自分の増殖を他の者にやらせる》である。
    なぜ「極み」かというと,「生物」の意味は「自己増殖 (生殖)」が根源になるからである。

    《自分の増殖を他の者にやらせる》を果たしているのが,ウィルスである。
    《自分の増殖を他の者にやらせる》は,《自己増殖器官のリボソームを捨て,身軽になる》であり,<生きる>の効率化である。

    かくして,ウィルスは生物の進化形である。
    リボソームを持たないことを以てウィルスを「非生物」と謂うのなら,ウィルスは<生きる>の効率化のために「生物」であることまでも捨てた存在ということになる。
    ウィルスの「非生物」の意味は,「最終生物」である。

      要点 : 生物に対するウィルスの位置は,「始源的」ではなく「派生的」。