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量的金融緩和政策 (quantitative easing, QE)
作成: 2020-12-11
更新: 2020-12-11
市中銀行が保有する国債を準備預金に交換する。
銀行から見れば,政府への定期預金(国債)を日銀への普通預金(準備預金)に置き換えることになる。
導入の理由
平時であれば,金利を下げていけば、経済刺激効果が出て景気は回復する。
しかし深刻なデフレーションに陥ってしまうと、政策金利をゼロにまで持っていっても十分な景気刺激効果を発揮することができない。
そこで,政策目標を金利だけでなく、資金供給量を増やすことで対応する。
1990年代に入ってからの日本経済では物価上昇率が低下し、とりわけ1999年頃以降は、消費者物価が持続的に下落する状況となってデフレーションが問題となった。
金利を目標にする金融政策は,ダメ。──すでに名目金利はゼロ近くに誘導しているところにデフレが進行したため、実質金利を引き下げる手立てが無い。
よって金融政策はマネーサプライが目標になる,となった。
考え方 (「量的金融緩和」)
市中銀行は,日本銀行に置いてある準備預金 (当座預金) の額に比例して,融資を行うことができる。
そこで,
国債を準備預金に交換する
→ 当座預金の額が増える
→
当座預金には利子がつかないので,融資・投資に使う
→ 市中への資金供給 (マネーサプライ) が増える
反論
「貨幣を極端に増やしても、貨幣から他の資産へ多くの資源が割り振られるだけであり、消費・投資への効果はない」
「量的緩和を行っても日銀の準備預金が増えるだけで、おカネは市中には回らず消費も設備投資も増えない」(ブタ積み論)
「金融緩和するとハイパーインフレ、円・国債の暴落という副作用が起きる」
その他に見込まれる効果
融資を増やすために,金利を下げる。
低金利は,景気を押し上げる。
日銀当座預金が高い水準を維持することによって、銀行の資金繰りが滞ることがなくなり金融システムの不安が回避される。
引用・参考Webサイト
Wikipedia
量的金融緩和政策
貨幣数量説
貨幣錯覚