Up 決済サービスプロバイダ 作成: 2020-11-14
更新: 2020-11-14


    ビットコインは,トランザクションが成るまでに時間がかかる。
    そのままでは,店舗での支払いには使えない。
    そこでビットコインをこの用途と使いたいときは,決済サービスプロバイダが要る。

    Aが,決済サービスプロバイダPに口座を開設し,ビットコインを預金する。
    預金は,AのアドレスからPのアドレスへのビットコインの送金 (トランザクション) である。
    Pは,台帳に「Aの口座に入金いくら」を書く。

    「預金」は,「自分の金庫に金を入れる」ではない。
    預金したビットコインは,プロバイダのアドレスに紐付けられたビットコインである。
    プロバイダのアドレスに紐付けられたビットコインなのに自分のビットコインだと思っていることを,「信用」と謂う,


    モバイルウォレット──スマートフォンにインストールしたウォレットアプリ──は,ビットコインの謂う「ウォレット」ではない。
    これは,プロバイダのシステムに属する。
    Aがこれを店舗Bのカードリーダ/ライタにかざして支払いが成るメカニズムは,中銀通貨の場合と同じである:
    • AとBは,Pに口座をもっている。
      AのウォレットアプリとBのカードリーダ/ライタのソフトは,Pのシステムに属する。
    • AがBに n BTC 支払うと,Pに「AがBに n BTC 支払った」が通知される。
      Pは,台帳上で,Aの口座の預金額をn減じ,Bの口座の預金額をn増やす。
    • BがAの支払った n BTC を回収しようとするときは,Pのシステムに属するウォレットアプリを用いる。
      Pは,自分のアドレスからBのアドレスに n BTC 送金する (トランザクション)。

    このように,店舗支払いは,ビットコインのトランザクションではない。
    トランザクションは,<AがPに預金>と<BがPから出金>がこれである。


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