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中島真志 (2017), p.114.
以上みたように、ビットコインについては、
① ダーティなイメージの広がりと信頼性の低下、
② 保有・採掘・取引構造の偏り、
③ 発行上限やリワード半減の仕組みのもつ弊害、
④ ブロックサイズ問題と分裂騒動、
⑤ 仮想通貨に対する規制導入の動き、
⑥ 健全なコミュニティ作りの失敗、
⑦ バブル的な兆候
など、さまざまな課題や問題点があり、これらを総合して考えると、ピットコインの将来性については、厳し目にみておいた方がよいものと考えられます。
ビットコインの中心的な開発者であった人の中にも、「ビットコインという実験は失敗した」(マイク・ハーン氏) と言い切る関係者も出てきています。
当面はある程度の規模を維持していくものとは思いますが、これが「金融の世界を根底から覆す」といった存在になるという期待は急速にしぼみ、「限定されたユーザーのみのニッチな商品であり続ける可能性がある」(BISの報告書[2015]) との見方がかなり有力です。
すでに金融のメインストリームにある欧米の主要銀行などからは、まったく相手にされていないというのは、前述のとおりです。
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