Up <通貨>の意味──幻想としての<通貨> 作成: 2019-12-22
更新: 2019-12-22


    生物の生きる源は,エネルギーである。
    生物は,エネルギーを摂取して生きる。

    生態系は,エネルギー摂取の循環系である。
    そしてこの循環には,生物間の<食う・食われる>の循環 (「食物連鎖」) もある。
    これは,<奪う>の循環である。


    経済は,人の間の<奪う>の循環である。
    ここで人は,<奪う>を,奪われる者の合意になるものに開発した。
    実際,<奪う>が奪われる者の合意の無い奪うであったら,人の社会は立たない。

    奪われる者の合意になる奪うのしくみ,それは<奪う>を<交換>に見せかけるというものである。
    奪う物と交換するのは,通貨である。
    <奪う>の循環と逆方向に,通貨が循環する。

    通貨の交換性は,幻想である。
    経済は,この幻想で()つ。

    幻想は,いつ壊れても不思議のないものである。
    実際,幻想は,保っていることの方が不思議というものである。
    通貨幻想は崩壊するときがある。
    「経済恐慌」と謂っているものがそれである。

    経済恐慌は,ひとの「エネルギー循環」が止まることである。
    エネルギー循環が止まるとは,死ぬということである。
    経済恐慌は,速やかに解決されねばならない。
    そしてその解決の形はただ一つ,通貨幻想の回復である。