Up ドコモ─ゆうちょ不正引き出し事件 作成: 2020-10-15
更新: 2020-10-15


    通貨を支配する者は,経済の支配を以て人を支配できる。
    世界通貨を支配する者は,世界を支配できる。
    この支配は,今日,夢ではなくなった。

    今日は,ひとが<オール・デジタル化>へドライブされるそういう今日である。
    通貨は,これをデジタルで貫徹することが技術的に可能になった。
    そしてこれは,通貨支配による人・世界支配が夢ではなくなったということなのである。

    中国は,国民統制と世界進出を政策にする。
    この中国は,「デジタル人民元」の実現が自ずと政策になる。


    AがBにデジタルマネーで支払いをするとは,Aが自分の口座 (アカウント) からBの口座に金を振り込むということである。
    デジタルマネーの支払いが成立するのは,AとBが同じ「銀行」に口座をつくっているからである。
    そしてこの「銀行」は,<支払いシステム・サーバ> (コンピュータ) がこれの実体である。

    中国で,通貨が「デジタル人民元」一本になったとする。
    このとき,銀行は複数ある必要はない。
    自由主義の国であれば「民間銀行に配慮」を考えねばならないが,中国は中央銀行 (「中銀」) 一本にできる。
    これは,中銀に国民すべての口座が置かれ,そして生活の中の金の支払いが口座振替になるということである。

    ひとの間の金の動きは,すべて中銀サーバに記録される。
    国民統制が政策の中国政府は,これを解析して,人・集団の関係図をつくる。
    こうして人・集団の関係が,政府に完全に把握される。

    政府は,口座を差し押さえるという仕方で,人・集団の弾圧ができる。
    実際,口座を差し押さえられた者は,その時から生活の糧をまったく得られなくなる。
    その者に同情して寄金で支援するということも,もうできない。
    金の流れはすべて口座振替だからである。
    支援は,現物供与しかない。

    「国家権力による国民統制」は,ここに完璧な形で実現される!


    デジタル人民元の企ては,これにとどまらない。
    デジタル人民元は,ユーザ獲得をインターネット上でグローバル展開していくことになる。

    このとき日本国民は,こぞってデジタル人民元の口座をつくることになる。
    先ず,中国人観光客を当て込んで商売するところは,口座をつくる。
    中国の大市場を当て込んで商売するところは,口座をつくる。
    そしてこの流れは,<多くが使っている>を基準にしてデジタルマネーを選択している大衆を,デジタル人民元に向かわせる。


    日本人がデジタルマネーにデジタル人民元を用いる者になるということは,中国国民と同じ立場になるということである:
    • 人・集団の関係が,中国政府に把握される。
    • 反中国政府と受け取られる言動は,これがもとで口座が差し押さえられるかも知れないので,努めて慎む。

    集団の運動を方向づけるものは,<目先の利をとる>と<同調する>のモーメントである。
    ひとは,個人だと理性を発揮するが,直近では「新型コロナ」の馬鹿騒ぎ ( 『「新型コロナ」: 洗脳・全体主義』) が好例になるように,集団になると底なしに愚かになる。

    日本政府 (のブレイン) は,事態のこのような推移を現実問題として恐怖する。
    デジタル人民元の攻勢に対抗していかねばならない,となる。
    デジタル人民元に対抗する方法は,「デジタル円」でしかない。

    しかし,「デジタル円」を国策として打ち出すわけにはいかない。
    民間銀行との利益相反が生じるからである。
    「個人情報」が問題になるからである。
    そこで,外 (国民・メディア・野党) に向けては欺瞞を策とし,内で段々と自衛体勢をつくっていく,となるわけである。