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読売新聞, 2020-11-11
地銀統合 金利上乗せ
当座預金年 0.1% 日銀,再編促す
日本銀行は10日、地域金融機関が経営統合した場合に、日銀に預けているお金に付ける利子を年0.1%上乗せすると発表した。
経費削減などで経営状態の改善に取り組んだ場合も対象とする。
日銀が地方銀行などに事実上、再編を促す異例の政策となる。
地銀を含む金融機関は、日銀の「当座預金」に一定のお金を預けている。
現在、3層構造になっており、年0.1〜マイナス0.1%の金利が付いている。
再編や経費削減などを行う地銀、信用金庫の当座預金に0.1%の金利を上乗せする。
地銀にとっては預けているだけでもらえる利子が増えるため、日銀は再編の追い風になるとみている。
今年度から3年間の時限措置とする。
信用組合や労働金庫などを対象に加えるかどうかは、関係先との協議を踏まえて決める。
再編では、2023年3月末までに合併や経営統合、連結子会社化を決定し、日銀が経営基盤の強化につながると認めることが条件
となる。
地銀が別の地銀グループの傘下に入った場合、傘下にあるそれぞれの地銀に金利が上乗せされる。
経費削減では、粗利益に占める人件費などの割合を示す「経費率」が改善することを基準の一つとする。
19年度と比べて20年度は1%以上、21年度は3%以上、22年度は4%以上改善することが必要。
経費率が改善しなくても、経費総額の減少率が基準を満たした場合は対象となる。
地方の人口減少や低金利の長期化に加え、新型コロナウイルスの感染拡大で融資先の経営が悪化し、地銀の経営は厳しさを増している。
27日には独占禁止法の特例法が施行され、同じ県に地盤を置く地銀同士が合併や経営統合に踏み切りやすくなる。
日銀の新制度は、政府と歩調を合わせて地銀再編を促す狙いもある。
新制度のポイント
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再編や経費削減に取り組む地方銀行、信用金庫の当座預金に年0.1%の金利を上乗せ
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再編は2023年3月末までに合併や経営統合、連結子会社化を決めることが条件
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経費削減は粗利益に占める人件費などの割合「経費率」や経費総額の減少率に基準を設定
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2020年度から3年間の時限措置として実施
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