Up 政府支出は国民の金の使用 作成: 2020-12-10
更新: 2020-12-10


    政府の支出は,中央銀行 (日本なら日銀) に開設している自分の口座に,支出先への振込を記帳することである。
    振込ができるためには,口座の預金額が振込額より多くなければならない。
    このために,中央銀行は政府の口座に貸出金として入金記帳する。
    この「貸出」が,政府の「債務」に計上される。
    金は,何もないところから造られた!

    ひとは,政府の支出を「金の使い回し」だと思っている。
    政府が支出する金は,だれかの金でなければならない」と思うのである。
    そこでそれを,「国民の血税」とか「国民の銀行預金」にする。

    そしてここから,「政府は国民の血税・銀行預金を,無駄なことに使っている」の論が出てくる。


    ちなみに,郵便貯金がその問題の銀行預金だとして郵政民営化をやったのが,「小泉郵政改革」というわけである。
    そのとき国民の敵にされたのが,亀井静香。

    小泉郵政改革をひとはいまでも正義と思っているが,理に即いてこれを見ればただのトンチンカンである。
      「Aの口座に貸出金として入金記帳する」は,銀行の通常業務である。そしてこれは,他の口座の預金に手を出していることではない。何もないところから金をつくっているのである (「信用創造 money creation」)。

    小泉郵政改革は,わたしなんぞには毛沢東文化革命と重なって見えてしまう (小泉毛沢東・亀井鄧小平)。
    ひとは,しばしば正義ヒステリーで集団的に舞い上がりたくなる生き物なのである。
    自省すべし。