Up 国の財政に「健全」の概念は立たない 作成: 2020-12-20
更新: 2020-12-20


    国の財政は,国民各員の所得の捉えがこれのベースになる。
    しかしこれがそもそも,不可能なこととなる。
    この財政は,「健全」を立てることができない。

    《「健全」を立てることができない》は,《「健全」を捨てる》に進む。
    国の財政は,《「健全」を捨てる》になっていくのが必然である。


    わかりやすい例が,老齢年金である。
    老齢年金のロジックは:
     「 老齢になると,働けなくなり,収入が無くて生活できないので,年金で養ってやる
    しかし老齢年金が実際に運用されると,つぎのようになってしまう:
     《 若くして直ぐに大企業に就職するか公務員になり,そのまま定年を迎え年金生活に入った者が,貧しい現役世代を尻目に,裕福に暮らす》

    老齢年金のこの不条理は,「健全化」という話にはなっていかない。
    老齢者個々の生活水準が,捉えようがないからである。
    その生活水準の凸凹が見えても,これを(なら)す計算公式が立たないからである。

    そこで財政は,年金給付の額を「年金受給者から文句が出て来ない額」に設定することになる。
    これは,通貨がもし「現金」であれば,できないことである。
    しかし,通貨は「キーストローク」 である。
    銀行台帳ファイルに数字をキー入力するだけなのだから,高額給付も低額給付もコストは同じである。


    国の財政は,「後の事は,後の者がその時になって考えればよい」をポリシーにしている(てい)である。
    これを「つけの先送り」と謂う。