Up 投資の場合,成算の根拠・撤退の想定は? 作成: 2008-02-06
更新: 2008-02-06


    「就職対策指導」の事業は,投資の意味で行われることもあり得る。
    すなわち,つぎのような意味づけで:
    1. 最初は赤字でも将来黒字に転じるので,行う。
    2. 将来本格実施が見込まれるので,テスト的に起ち上げ,ノウ・ハウを蓄積する。

    この場合には,つぎのことが必要/肝要になる:
      (1) 成算の根拠を,計算で明らかにする。
      (2) 撤退を想定しておく。

    (1) は,思惑で事を始めないためである。
     (組織には,思惑先行の風土がある。)
    (2) は,一旦事を始めると,終わらせることが至難になるからである。
     (組織には,課題先送りの風土がある。)


    ○「教職大学院」

    教職大学院を起ち上げるのは,すでに需要の点で,不合理である。
    (「教職大学院の人気低調,国立の約半数で募集定員下回る」(日経新聞, 2008-01-27))
    国立大学の場合,このような課程の「赤字・黒字」の計算をどう考えるか難しい点があるが,少なくとも教職大学院は定員を充足できず,「定員を充足できない」を「赤字」とすれば,教職大学院は赤字経営をずっと続けることになる。

     註 : 教職大学院の定員を充足できない国立大学は,定員充足実現の方策として,つぎに授業料優遇 (特に,免除) 措置の導入に進む。
    この段になると,「赤字」が明確に見えることになる。

    教職大学院は,一旦始めると,だれも終わらせることができなくなる。
    有名無実の体(てい) で,続けられる。

    しかし現実は,教職大学院がこのようなものであるのに,教職大学院を起ち上げる国立大学が出てくる。
    行政から降りてきたことなので間違いないのだろう」「始めればなんとかなるのだろう」でやってしまう。

    既にやってしまったところは,せめてつぎの失敗学を胸に刻んで,この経験を将来に活かすようにするしかない:

      渦中に居る者は,必ず視野狭窄に陥り,
      「行政も (行政こそ) <流行り>でフラフラする」が見えず,そして
      自分の「思惑先行」が見えない。