Up 制度の論点 :「教員資格?」 作成: 2008-06-07
更新: 2008-06-07


    教員資格認定試験制度の問題点は,だれでもわかる。
    「教員資格」の意味が自ずと問われることになるのである:

      「それを教員資格の認定だと言ってよいのか?」
      「これが教員資格の認定であるならば,教員資格とは何なのか?」


    この制度は,つぎのようであるならば合理的である:
      <教員となる資格があるのだが,制度の技術的な問題によって教員になれない者>の救済としてつくられ,そしてこの目的に限って運用されている。

    しかし,規則をつくると,それは一般的な記述になり,想定していない使用の余地がつくられる。 そして実際,想定していない使用が現れ,そしてこちらの方が多数派になったりする。
    これは,規則というものの宿命である。
    そこで,「規則の運用」というものが重要になる。


    文科省は 2004 (平成16) 年度以降の高等学校教員資格認定試験は当分の間行わないとしている:

    (文科省HP「教員資格認定試験」より)
    お知らせ 今後の高等学校教員資格認定試験について
     中央教育審議会「今後の教員免許制度の在り方について」(平成14年2月21日)の答申の内容等を踏まえ,平成16年度以降の高等学校教員資格認定試験については当分の間行いません。

    「答申の内容等を踏まえ」の言い方はなんとも意味不明だが,いずれにせよ,高等学校教員の資格をこの種の試験で認定するというのは,成り立つことではない。
    実際この試験制度は,暗記勉強と専門性陶冶を等価にしてしまう。
    これは,モラルハザードである。

    そしてこのとき,「それは高等学校教員だけのことか?」となる:

      小学校教員の専門性の問題はどうなるのか?
      小学校教員なら,暗記勉強と専門性陶冶を等価にすることはかまわないのか?