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運動感覚化
主題の表現は〈形式〉の表現です。(例えば,数学的主題の表現は数学的形式の表現です。)
「形式の表現として物理的な現象をつくり,この物理的現象でもってもとの形式を暗示する」というのが,「表現」として行われていることです。
- 「暗示する」という言い方をしているのは,〈形式〉を直接示すことはできないからです。
- ちなみに,形式の各表現はひとの恣意であり,どの表現も採用可能な表現のうちの一つに過ぎません。(一般論として,主題は教授/学習材の形を決定しません。)
形式の表現は,ある対象の位相/様相の変化として描かれることになります。
一般に,主題の理解は《ある対象のコンテクストの理解》という形で成立します。そして対象の「コンテクスト」とは,対象の位相/様相の変化のことです。わたしたちはある対象の動的な相を通して主題の理解に到達するわけです。概念や思想は静的なものではありません
- 特に,概念や思想は空間的であると言うことができます。
こうして,主題を表現するとは一つの運動感覚的なファンタジーを展開することです。ファンタジーの要素となるものは,本来,知覚にのるものすべてです。(そこで,マルチメディアの登場となります。)もちろん,わたしたちは差し当たり可能な要素から手をつけていくわけですが。
- ここで「ファンタジー」という言い方を用いるのは,「リアルだが物質的な世界ではない」という意味合いからです。