Up デザイン=テロ 作成: 2008-07-04
更新: 2008-07-04


    「デザイン」は,商品戦略の中心にある。
    ──デザインは商品のデザイン,すなわち商品化するためのデザインである。

    商品経済の本質は,「商品価値の無根拠性」(値段は勝手につけられる/勝手につけるしかない) にある。
    経済活動は,この無根拠性を利用する。
    「商品偽装」は,商品経済の悪しき部分の現れではなく,商品経済の本質である。

    「デザイン」は,「商品偽装」と本質において同じである。
    ──「商品偽装」の<悪>の響きは,「デザイン」の方にはないけれども。 (実際,デザインはしばしば<絶対的善>を装う──例:ユニバーサルデザイン。)


    「デザイン」としてやっているのは,つぎのことである:
      <他人を利用する>という形で<自分に都合のよい世界を工作する>

    そしてこの意味で,デザインはテロである。

     註 : ここでは,「テロ」を「人が或る行動に向かうよう,仕組む」の意味で用いる。
    ──「テロ」の要点は,「自分勝手に行う」。
    そしてこの意味では,「テロ」は普通に起こっている。
    「テロ」が否定的な意味になるかどうかは,「ある者の自分勝手が招く他の者の被害」の程度問題である。


    「自分に都合のよい世界を工作する」は,「イノベーション」と通ずる。
    実際,デザイン (=商品デザイン) は,イノベーションのデザインである。

    イノベーションは,テロである。
    実際,「イノベーション」は,「イノベーション」のつもりでこれを仕組む者にとってのものであり,逆に,仕組まれる者にとっては,構造的に「テロ」である。 ──「イノベーション」と「テロ」は,裏表の関係にある。
    よって,デザインは,「イノベーションのデザイン」の意味でも,テロということになる。