「見なす」とか「解釈する」とか「抽象する」という言い回しがありますが,これらの言い回しで表現されているものは,リアルに対する「形」(フィクション) の連結の創出です。
リアル ← 形(フィクション)
たとえば,物体の運動に対して意識されてくる「速さ」を,算数の領分では「関数」という形で見ようとします。すなわち,「時間」と「距離」という二量の対応という「形」で解釈します。
「関数f:時間 ─→ 距離」
そして,「速さ」の問題の処理,たとえば速さの比較といったことを,この「形」の処理として行ないます。
リアル
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形
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(「60km/h」がfの日常的表現)
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「抽象」は,リアルを消失させる過程ともなっています。
「抽象」とは,リアルの「別もの」化に他なりません。
(上の「速さ」の例から,リアルと「形」のギャップの大きさを感じて下さい。)
「抽象」の反対語に「具象」があります。これはフィクションにリアルを連結させる行為ということになります。
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