Up ディジタルと「チョーク・黒板」の相性の悪さ 作成: 2009-01-10
更新: 2010-01-07


    伝統的な教室風景・授業風景のいちばんの要素は,チョークと黒板である。 ディジタルは,これと相性が悪い。
    相性の悪い二つの対立の進む先は,一方が他方を駆逐するか,両者の棲み分けをもつに至るかである。

    既に,ディジタルが<教える>メディアでないことを述べた。 そこで,ここでは,物理的な「相性の悪さ」を問題にする。


    1. ディジタル・ディスプレイでは,黒板がじゃまになる。

    ディジタル教材として作成されるもののは,スクリーンないしビデオモニタにディスプレイされる画像である。 この画像を,画像作成ツールソフトを使って作成する。

    使わない物・使えない物は,使わないだけではなくて,じゃまになる。 物が増えてしまうからだ。
    そして,ディジタル・ディスプレイでは,黒板がじゃまになる。

    2. ディジタル機器・機材は,チョークを嫌う

    チョークと黒板は,チョークの粉をふりまく。
    チョークの粉は,ディジタル機器・機材にとって不都合なものである。

    そしてお互い様ということで,

    3. チョークと黒板では,ディジタル機器・機材がじゃまになる。

    黒板の横にスクリーンがあるのは,じゃまになる。
    教卓にディジタル機器・機材があるのは,じゃまになる。
    教室にコンピュータが並んでいるのは,じゃまになる。
    チョークの粉を嫌うディジタル機器・機材があるのは,じゃまになる。

    従来の教材でディスプレイ型のものは,図やテクストを大型サイズの紙に書いて黒板や壁に貼るというものである。
    ディジタル教材は,いろいろと利点があるにしても,この従来型ディスプレイ教材に代わるものにはならない。