Up ディジタル教材の試行と失敗学 作成: 2009-01-10
更新: 2010-01-06


    ディジタル教材の使用は難しい。
    ディジタル教材の試行は,「失敗学」の趣で行うものになる。
    ──授業者は,授業の失敗から学習する。

    ただし,「失敗から学習」は,一般に難しい。 失敗がわかることそれ自体が,一つの能力であるからだ。
    初心者は,失敗をとらえ損なう。 失敗の内容を,勘違いしてとらえてしまう。

      学校教員養成課程の学生は,教育実習に行く。そして,そこでいろいろ失敗し,その失敗から学習する。
      しかし,たいてい,失敗を勘違いしてとらえる。
      特に,主題研究・授業設計段階で授業が壊れているというような根本的な失敗ほど,気づかないし,理解が難しい。 そして,瑣末のこと,本質的でないことで「こうすることができなかった」を,反省点に挙げる。
      そしてこれは,学校教員をただ長くやっていることでは,改善されない。


    失敗がわかるためには,失敗をとらえる観点/フレームを予めもっていなければならない。
    本テクストは,「ディジタル教材の作成・使用における失敗」をとらえる観点/フレームを,つぎの構成で論じていく:

    1. ディジタル教材を使う意味
    2. ディジタル教材作成の考え方
    3. 授業設計に対する構え