Up 授業の条件 作成: 2008-08-16
更新: 2008-08-16


  1. ディジタル教材/学習材を考える者は,その前に,つぎのことをしっかり理解していなければならない:

    • 「わかる」とはどうなることか
    • 「わからせる」とは,何をすることか
    • 新しい内容を受けとめ・消化するのはすごくたいへんである,ということ。
      ──学習においては,カラダはひどく不自由なものである。
    • 目に見えない・意識に上らない色々なことが,「わかる」に関係している。

        つぎの図が「直方体」に見えるのは,アタリマエではなく,いろいろ勉強してきたことの賜である:


  2. 「わかる」とは,「つくれる」になること。
    「教える/わからせる」は,「つくれるようにする」。
    • 教科の個々の主題は,それぞれ一つの「つくる」。
      ──実際,対象の分析・再構成の仕方が,主題になっている。

        例:「和音」(音楽),「扇状地」(地理),「円」(数学)

    • よって,「わかる」とは,「つくれる」になること。

  3. 「見る・聴く」は,「つくれる」にならない。
    「つくる」は,自分で実際にカラダを使わないと,身につかない。
    • 見ているが見ていない,聴いているが聴いていない。
    • 「つくる」は,カラダのもの (身体性) である。
      自分で実際にカラダを使わないと,身につかない。

      • 目に見えているものを知るために,スケッチする。
      • 読めるが,書けない漢字。
      • 泳ぎを見て泳げるようには,ならない。

  4. よって,授業の形は,「カラダを以て,つくらせる」。
    「見せる」は,「教える/わからせる」にはならない。

  5. 授業は,ゆっくりやらねばならない。
    • 「つくる」ができるようになるのには,時間がかかる。
      これは,カラダの都合による。──カラダは,不自由なものである。
    • 特に,新しいことは,僅かな量でも・簡単なことでも,できるまでに時間がかかる。