Up ディジタル・プレゼンをつくる者が嵌る落とし穴 作成: 2008-08-16
更新: 2008-08-16


  1. ディジタル・プレゼンは,インタラクション向けではない。
    実際,インタラクションを考えるときは,ディジタル・プレゼンの形は使わない。

  2. ディジタル・プレゼンの設計では,<相手>が存在しなくなる。

         プレゼンを,インタラクションが無い形に設計
       → <相手>が存在しなくなる

    確認: <相手>は,つぎのことによって意識されるものになる:
    • インタラクションが起こるようにメディアをつくる。
      (相手のことを考える。)
    • 意思疎通に失敗し,愕然とする。
      (<他者>(想定外) として相手が立ち現れる。)

  3. <相手>が存在しなくなるとき,<相手>は自分。
    ──「伝える」を「伝わる」とイコールにしてしまう。

         「自分の伝えるものは,相手がそっくり受け取る」
       → 相手=自分の言うことがそのまま通じる者
       → 相手=自分

  4. プレゼンは,プレゼンターの「独り言」になる。

    • 相手がついて来れない盛りだくさんで難しい内容にしてしまう。

      • 「相手のずっと先を行っている/相手よりずっと多く知っている」でなければ,プレゼンターが務まらないと思ってしまう。
        そして「相手=自分」なので,自分の知らないことを新しく勉強し,これをプレゼンの内容に追加していく。
        こうして,盛りだくさんでそして難しい内容になっていく。

    • コンテンツと時間の配分を,相手不在でやってしまう。

      • ディスプレイ&説明に自分が要する時間をもとに (「相手が受け取れる時間をもとに」ではなく),コンテンツを並べる。
      • 特に,「時間が余る」計算になるときは,コンテンツをさらに加える。

    • 盛りだくさんを消化するために,早口になる。

  5. このことが,「授業におけるディジタル・コンテンツの使用」でも,起こり得る。
    これを,つぎに問題にする。