Up 思惑先行─ "If we build it, they will come." 作成: 2007-11-18
更新: 2008-01-17


    「生涯学習教育」は,思惑で進められる。
    "If we build it, they will come" 調で,やられるわけだ。
    なぜこんな調子になるのか?
    理由として,(1) 人間心理と (2) 課題の難しさの二つがあげられる。


    (1) 人間心理

    「生涯学習教育」の課題は,上から降りてくる。したがって,「生涯学習教育先ずありき」になる。
    「先ずありき」で実現を目指そうとするとき,不都合・不具合に対し目をつぶるという心理が働く。 思考・覚醒は不都合・不具合を呼び出すことになるから,思考停止する。
    こうして,<考える>をパスして<つくる>に進む。

    つくってだいじょうぶか?成り立つのか?続くのか?という疑念は,もたない。
    だいじょうぶ・成り立つ・続くと,思い込むのである。

    すなわち,つぎのことばと同化する自分を,つくっていく:

      "If we build it, they will come."

    これは,「思惑先行のギャンブル」ということになる。
    また,この意味においては「ベンチャー」である。


    (2) 課題の難しさ

    「生涯学習教育」の実現可能性の計算は,実際,難しい。
    一般に,ひとは,難しい課題に対しては,これをやり過ごそうとする。
    ここに,先の計算が困難な課題であるにもかかわらず,「先ずありき」がやってくる。 「やり過ごす」ができない状況である。
    このときひとは,思考停止して,「やってみなければわからない」になる。 すなわち,ギャンブルに進む。
    ただしこの場合,思惑先行が働く。 <思惑>は理性麻痺であり,ギャンブルを「ギャンブル」として意識されないようにする。

    「生涯学習教育」の思惑先行の形は:
      "If we build it, they will come."

    思考停止では,「思考を怠けている」という意識はもたれていない。
    ただ,つぎのようになる:

      課題が難しくて,思考できない。
      思考を続けられない。
      思考を続けられないので,思考停止する。
      そして,
      思考できないこと,思考を続けられないこと,思考停止していることに,気づかない。

    一般に,「十分思考していないことを意識する」というのは,元来ひとが苦手とするところである。
    実際,思考が適切に意識対象化されるためには,対象に対するある程度確かな知識と高い理知力が必要になる。 したがって,対象をよく知らない場合の方が,わかっているつもりになってしまう。
    ひとは無理・無謀・冒険を,概して,無邪気にやってしまう。 ──邪気でやるのではない。


    "If we build it, they will come." 調は,組織が厳に斥けねばならないものである。
    なぜなら,"If we build it, they will come." 調は,失敗する。 そして,失敗したときの被害やこれに対する手当のことが最初からアタマにないから,失敗は無惨なものになる。(当事者は,被害を見てはじめて,思考停止でやっていたことを思い知らされる。)