Up 教員養成課程の縮小 作成: 2000-12-23
更新: 2007-11-18


    1980年代の後半になって,国立教員養成系大学・学部では卒業生の教員採用率の低落現象が出てくる。

    これに対して,教員養成コースの中からゼロ免コース (「新課程」) をつくり,教員採用率の低落を消そうという試みが,先ず行われた。
    このゼロ免コースの中に,「生涯学習教育」が現れる。

    しかし,1990年代になって,教員採用率の低落はさらにひどくなる。

国立教員養成系大学・学部における
卒業者数・正規採用者数の推移 (20年間)



北海道教育大生の道内公立学校教員採用状況

採用
年度
受検者登録者
2001 824 152
2000 809 120
1999 876 249
1998 955 359
1997 1037 445
1996 949 616
1995 914 688
1994 958 751

    国立教員養成系大学・学部が「教員養成」の面目を保てないこの状況は,教員採用の全国的状況,少子化傾向,既卒者受検者の累積,本務教員の年齢構成等を考え合わせ単純計算すれば,この先ずっと続くことになる。

    数値的に「学校教員養成」は既に虚偽 (詐欺) であるから,この状況は社会的害悪に転じる。そこで,学校教員養成は早急に適性規模に変えていかなければならない,となる。
    これは,リストラである。

    適性規模は,上の北海道教育大学の例では「定員が多くとも 400 くらい」といったところになる。 5分校の北海道教育大学では,1校が担当する規模。
    そこで,学校教員養成の担当から外れる学校は,廃校しないとするならば,ほかのコースを立て,それでやっていかねばならない。

    一般的に言って,学校教員養成課程の場合,「ほかのコース」の可能なオプションは,高校卒業学生相手では教養系である。 これの他となると,社会人相手を考えることになり,それは「生涯学習教育」ということになる。
    ──ここに,「生涯学習教育」が再び課題となって現れる。