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メソッド (大学運営の立場)
作成: 2002-01-31
更新: 2002-01-31
ウェブ大学は,「大学に入りたい」人のために設置する大学ではなく,「ある特別な目的のために,大学レベルの専門教育を受けたい」人のために設置する大学と位置づけます。
重点を「リカーレント・リフレッシュ」(人材マーケットにおける自分の商品価値のアップ) に置きます。
学士号の取得,単位の取得については,便宜ははかっても,基本的には既存の大学(そこが運営する通信教育)の領分と定め,これと直接競合することは考えません。
その一方で,職業技能に関する免許・資格の取得は,セールスポイントにします。
ウェブ大学は,快適さ (効率性と軽快さ) を信条とすべきです。このために,「スリムに」が方法になります。
「完全をもとめる(不足をなくす)」というスタンスではいけません。組織やシステムを重くしない (自らのフットワークを重くしない) ことが肝要です。
大事なのは,学生のニーズ (社会のニーズ) に適切に応えるものになっているということです。ニーズに過剰に応えることは,学習者にとっていいことではありません(「過ぎたるは及ばざるが如し」)。
快適なウェブ大学実現の作業では,既存の規則/規制が障碍になる場合が多々予想されます。これに対しては,「大学の実現を規則に合わせる」ではなく「WBT のメリットの貫徹を優先し,規則/規制をこれに従わせる」の方を採るべきです。これを,「Web大学法」特設のような形で,行政主導で行う必要があります。
「学習者に利益をもたらす WBT (Web-based training) はこの大学の授業になる」としてこれを実現するのが,ウェブ大学の立場です。
例えば,現在大学の通信教育に条件として課せられている「スクーリング」は,ウェブ大学と整合しません。したがって,ウェブ大学の実現には,
「スクーリング」が必要な授業は最初からウェブ大学の授業にはしないことと,
「スクーリング」の法的強制をなくす新しい法的措置必要になります。
WBT での学生サポートは,個人指導の度合いが高くなります。したがって,学生指導に専念できるシステムになっていないと,教授スタッフは体力的に保ちません。
このため,教授スタッフの事務との関わりは最大限スリムにしなければなりません。特に,教授スタッフに対する事務インタフェース (ウェブページ) のデザインは,ひじょうに重要です。
授業 (教授/学習材) は,学生の具体的なニーズに直接応える形にデザインします。
「基礎科目」「教養科目」然としていて,「そのうち必要であることがわかってくる」みたいな授業ではいけません。
参考:
大学設置認可