Up 重点は,「つくる」ではなく「考える」の方に 作成: 2007-02-01
更新: 2007-02-01


    上手なだけの作品は,すぐに飽きられる。
    「上手」以上に汲むところがなく,そして「上手」なものはこの世にあふれかえっている。

    肝心なのは,作品の思想性・説得性・有用性。
    つまらない/壊れたストーリーの作品は,いくら手をかけてもマシにはならない。 逆に,ストーリーがよければ,メディア技術の弱さも意識的なヘタウマに見えてくる。


    思想性・説得性・有用性の問題は,「ある・ない」ではなく「深い・浅い」。
    社会派の作品は概してつまらないが,それは類型的で浅いからだ。 どうして類型的で浅くなるかというと,結局,思考そのものが類型的で浅いから。

    「クリエータ」であるためには,思考のレベルで先ず類型/浅さを脱していなければならない。 そして,「深さ」を得るには,いろいろな意味で,勉強/修行するしかない。
    勉強/修行は,やり過ごせない。


    実際,メディアリテラシー教育では,生徒のアタマの中身が本当の相手になる。
    鍛錬しなければならないのは,手先や五感ではなく,アタマ。

    教育は,急いでもしようがない/急ぐことができない。
    メディアリテラシー教育も,論述リテラシー教育として,腰を据えて実質陶冶に向かうことが肝要だ。