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問題解決型学習
作成: 1999-04-15
更新: 1999-04-16
メディアリテラシーの教育は,問題解決型にしましょう。
問題解決の過程で,学習者は
「これがあればうまくいく」と思うツールの見当をつけ,
それがないか捜し,
見つけだし,
ツールを組合せ,
ゴールに至ります。
そしてこれによって,ツールの「意味」を発見し,理解します。
問題解決型教育の逆は,ツールを無機的なままの形で示し,操作させるというものです。
コンピュータの指導の場合なら,操作の指導に終始するもの
プログラムの指導の場合なら,文法の指導に終始するもの
CG作成ソフトの指導の場合なら,個々のツールの操作の指導に終始するもの
近頃ではソフトの「マニュアル」の書き方もずいぶん進歩してきましたが,ひとむかし前はこんな感じでした。
このような指導はうまくいきません。何をやらせられているのか/これをどう役に立てていくのか,学習者はわからないからです。ツールの「意味」が知らされていません。
教育を知らない人は,ひとにツールを教えるとき,無機的/汎用的な形で示そうとします。かれらに言い分を求めれば,
「機能は本来オープンなものであり,特殊な使用例を学習者に示すことはツールの可能性を隠してしまうことになる。あるいは,ユーザの自由を束縛することになる。」
というようになるでしょう。
そしてまた,このような指導の仕方のほうが実際ラクなのです。
例: 数学の指導を「公理 → 定義 → 定理 → 証明 → ‥‥」のように進める。
しかし,こんな指導には学習者はついて行けません。
ツールの指導法は,つぎのような形で可能になります:
ツールの「意味のある使い方」を一つ示す
その例からいろいろな応用(変異)がつくりだせることを,これまた一つの例で示す。
つまり,学習者は要素をばらばらに学習するのではなく,要素の「意味のあるまとまり」を学習します。このわずかな例が学習者の自由を束縛することにならないのは,あるいはツールの可能性を隠すことにならないのは,学習者がこれを変形し応用する力を潜在的にもっているからです。教育者はこの力を当て込むことになります。(もちろん,この潜在力を引き出すことも,指導の重要な要素です。)