Up 便利と軽薄 作成: 2007-02-25
更新: 2008-07-10


    「情報化」は,生活を便利にすることを目的にする。

    生活が便利になった社会では,人が軽薄化する。
    すごく極端/頑迷固陋なことを言っているように聞こえるかも知れないが,これは本当である。

    生活が便利になるとは,人が不便から免れるということ。
    人は,不便があるところで,深く考え,そして深くカラダを使う。 不便が薄まれば,これをしなくなる。

    便利はひと(他人)が与えてくれる。
    そこで,ひとが与えてくれるのを待つ。
    与えてくれなければ,ひとに文句を言う。

    便利な社会では,些末を免れて本当に重要な問題に手をつけられるようになる?
    そうはならない。

    便利な社会では,人は「深く考え,深くカラダを使う」ことを忘れる。 そして,便利な社会を最初から与えられた若い世代は,「深く考え,深くカラダを使う」ということがあることを知らない。
    当人は「深く考え,深くカラダを使う」をやっているつもりでいる。 しかし,<つもり>と<実際>は違う。

      どの時代も若者は「自分以外はみなバカ」を言うものだが,これを裏返せば,当人は「深く考え,深くカラダを使う」を自分ではやっているつもりでいるということだ。
      ちなみに,「2ちゃんねる」は,「自分以外はみなバカ」がどのように発言されるかが観察できる場としても,貴重である。

    そして,軽薄は軽薄を生む。──悪循環。


    強調するが,悲観主義をここで述べようというのではない。
    人とはどのようなものであるか?情報化は人のこの傾向性にどう作用するかを,先ず理解しておきたいということだ。