Up 世の中モンスターだらけ? 作成: 2008-03-10
更新: 2008-03-11


    「今時の若い者は」が言われるのはいつものこと。
    では,「モンスター・ペアレント」や「本を読まない大学生」も,「今時の若い者は」の一つか?

    「今時の若い者は」のことばが出てくる理由には,二通りある:

    1. 自分が変化して,外部の見え様が違ってきた。
      若者は変わっていないが,自分の眼には「今時の若い者は」になる。
    2. 時代は振り子運動する。
      別の向きに振れた時期に成長した若者が,「今時の若い者は」と言われるものになる。

    Bの「今時の若い者は」は,「新人類」とも呼ばれる。
    「モンスター」は,この「新人類」が否定的ニュアンスで使われていることばとしてよい。

    「問題○○」というのもあるが,これは「モンスター」とは区別する。
    なぜなら,「問題○○」には<普遍的>確率現象 (「どうしても一定割合で起こるもの」) のニュアンスがあるが,「モンスター」は「ある一般的でない環境で成長したことの結果」というものであり,<条件的>である。


    「モンスター」における
      「時代の振り子運動が別の向きに振れた時期に成長」
      「ある一般的でない環境で成長」
    とは,「社会性がきちんと教育されない時代/環境に成長」のことである。
    「モンスター」とは,社会性がきちんと教育されなかった「子どものまんま」のこと。
    例えば,「本を読まない大学生」は,本を読むことが教育されなかった・本を読まないことが教育的にチェックされなかったことの結果である。


    「社会性がきちんと教育されない環境で成長」の起こる場所・期間が広がれば,モンスターの大発生となり,局所的であれば,モンスターの局所的発生となる。
    では,現在のモンスター発生状況はどうか?

    「本を読まない大学生」を見れば,モンスターはここしばらく増えていると言ってよい。 ──「モンスターだらけ」とまで言ってよいかどうかは,実際に調査してみなければわからない。