Up 「なんでもあり」としてよい 作成: 2008-03-10
更新: 2008-03-10


    免許更新講習は,30時間となっている。
    小中高校等および受け入れ大学それぞれの本務スケジュールの合間に実施されるので,小中高の夏季休暇期間中どれか1週間が,この講習にあてることのできる唯一の時期ということになる。

    中教審「免許更新講習」ワーキンググループは,
      「教育の最新事情に関する事項」について12時間,
      「教科指導、生徒指導その他教育内容の充実に関する事項」について18時間
    と言っている (ワーキンググループ 第1回 (平成19年10月3日会議) 配付資料3『教員免許更新制の運用についての検討経過 (案)』)。 これをそのまま受ければ,授業時間割は,つぎのようになる:

     
    10:00 - 11:30
    昼休み
    13:00 - 14:30
    14:40 - 16:10
    :教育の最新事情‥‥
    :教科指導‥‥

    そしてこれに従えば,この講習を担当する大学教員は,
    • 「教育の最新事情に関する事項」
    • 「教科指導、生徒指導その他教育内容の充実に関する事項」
    について,現職教員を指導できるほどに,精通していることが要件になる。


    「教科指導の充実に関する事項」は,教科教育担当教員およびその他の教員も指導できる。
    「教育の最新事情に関する事項」は,一部の教員が指導できるかも知れない。
    「生徒指導の充実に関する事項」は,教員養成系大学でも,伝統的に,これを守備領域とはしていない。 ──すなわち,「この知見は教育現場にある」としてきた。 「教育現場の<専門性>であり,教員はOJTでこれを学ぶ」というわけである。

    「免許更新講習」をまじめに受けとめるなら,「生徒指導の充実に関する事項」担当者の不足を埋める措置として「小中高等教員のOBを非常勤講師にして担当させる」みたいなことをしなければならなくなる。
    「免許更新講習」を言い出した中教審も,この辺りの大変・厄介さはシミュレーションしているらしく,「まじめに受け取らないでよい」としている (「「教員免許更新講習」とは?」で引用した参考資料)。


    よって,「免許更新講習」は「何でもあり」ということにしてよい。
    ただし,「何でもあり」は,「簡単にやれる」ということではない。 (「お手並み拝見」)