Up 要 旨 作成: 2008-11-14
更新: 2008-11-14


    教員が情報システム管理者に就いている国立大学の場合は,後継者不在になる可能性が大きい。

    先ず,後継志願者が出て来ないという問題がある。
    教員が管理者を志願するのは,自分がネットワーク管理の仕事をするということに意味を見出せた場合である。 しかし,今日ネットワークを管理するとは,業務インフラとしてのネットワークを管理するということであり,そのネットワークはかつてのような研究・教育用ネットワークではない。 ネットワーク管理の仕事は,ますます,ただの雑務・奉仕作業にしか見えないものになっていく。

    また,後継者養成の形は OJT であり,同じ仕事を複数が行うという重なりが必要になる。 しかし,教員は本業の方で忙しいので,完全分業にして一人分の仕事を減らす方を選ぶ。 「他は知らず」型の仕事分担になり,自分にしかわからないシステムがつくられていく。

    後継者の問題が明らかに見えていても,解決が困難なので,問題が先送りされる。
    ただし,状況は変わるので,将来に備えていまから無理をするのと,「そのときはそのとき」を決め込んでいまは無理をしないのどちらがよいかは,わからない。

    問題の先送りは,困難を理由とするものに対し,これとは反対の,容易を理由とするものもあり得る。 すなわち,管理者の仕事および管理者の成長について疎いために,「後継者は,調達しようと思えばすぐに調達できる」と考えてしまう,という場合である。