Up 「管理者をやる意味」が,問題の核心 作成: 2008-11-09
更新: 2008-11-09


    アタリマエだが,後継志願者が出て来なければ,後継者不在になる。

    どういう者がネットワーク管理の仕事に就こうとするのか?
    教員の場合だと,ネットワークを必要とし,そしてネットワークを保守するためには自分がこの仕事に就くのがよいと考える,そういうタイプの者である。

    実際,ネットワークはインターネットの前からあり,大学でネットワークを構築してきたのはこういう教員たちである。 ネットワークとは,研究用ネットワークのことであった。
    そしてこのことは,ネットワークがインターネットになったときも同じであり,よって教員がネットワーク管理者になった。


    しかし,インターネットが業務インフラになってくると,研究ネットワークが大学の中で嫌がられるようになる。 ──どういうことか?

    研究ネットワークは,<研究>というものの本性から,<自由>が指向性になる。
    <自由>は事故を招く。事故の責任を被る役回りを自任する大学管理職は,<自由>は取り締まりたい。 自分の完全な管理下にネットワークを置くことを望む。

      一般に,自分が<公認>と指定したもの以外の排除・排斥に向かおうとするのは,管理職の性(さが)であって,「言論の自由」とか「独裁」とかいった問題にすると,ズレてしまう。 (逆に言うと,「言論の自由」とか「独裁」に鈍感・無知な者が管理職になると,その組織は本当に危ない。)

    大学のネットワークは,いまはこのような状況にある。
    大学の管理職は,一般道路を管理するように大学のネットワークを管理する者を,「情報システム管理者」として求める。
    そして,このような「情報システム管理者」になろうとする者は,当然,教員の中からは出て来ない。

    大学の管理職にしても,情報システム管理者は事務方から出したいわけである。
    しかし,これにもまた,いろいろ難しい問題がある。
    そしてこの場合は,もはや「後継者」の問題ではなく,「ネットワークをリセットする者」の問題になる。 ( 新管理者の要件:システムの再構築に取り掛かれる)