Up 「事務引き継ぎ」の不可能 作成: 2008-11-11
更新: 2008-11-11


    管理者へ成長するために必要な時間のことを考えると,情報システム管理者に就く新人は,情報システム管理の下地が既にしっかりある者でなければならない。
    しかしこの場合でも,「事務引き継ぎ」の形で管理者をスイッチするというのは,不可能である。

    現前の情報システムを理解は,それの歴史を知っていることの上に成り立つ。
    よって,新人はこのシステムを理解できない。
    そして,システムを歴史として新人に語ることも,「膨大で込み入った情報の整理と,これを膨大なマニュアルにして書く」ということになるので,できない。

    では,新人はどうするか?
    システムの作り直しをするしかない。
    実際,他人のつくったものの解読作業に入るより,自分でつくり直した方がはやい。

      実際の「事務引き継ぎ」の内容になるものは,この作り直しの作業に必要となるデータである。──セグメントの構成,基幹サーバ機の配置と現在の内容の概要,登録ホスト一覧,等。