Up 論理的解は,一つ 作成: 2008-11-14
更新: 2008-11-14


    ここまでいろいろ述べてきたのは,後継者養成がされてこなかったときの管理者交替の形を,論理的に導けるようにするためである。

    後継者養成がされてこなかったとき,新しく管理者に就くものは,現在のシステムの内容を知らないまったくの新人である。

    新人が管理者になるには,管理者に成長するための時間が必要になる。
    この時間は,新人の下地に依存する。
    組織の業務やITに関する経験値が高ければ,成長に必要な時間は短くなる。
    (「情報システム管理者」の成長)

    一方,新人の下地が十分な場合でも,管理者の交替は事務引き継ぎという形ではできない。
    どうしてできないかは,「2007年問題」がどんな問題であったかということを考えれば,わかるはずである。 要するに,「管理者」とはカラダのことであって,マニュアルの話ではない,ということである。
    ( 管理者の交替は,事務引き継ぎではできない)

    そこで,新人は,現在のシステムを,それの内容について何の予備知識もない状態で,受け継ぐことになる。
    内容の解読は,難儀な仕事になる。 解読をやるよりは,自分で構築し,自分のわかるシステムに替える方が早い。
    そこで,新人は,つぎのことを自分に課さねばならない:
    1. 構築できる者になるための自己研鑽。
    2. 現在のシステムが稼働している横で,これに替えるシステムを構築。
    ( システムの再構築に取り掛かれる)

    この新人は,アウトソーシングするのではなく,自組織から抜擢しなければならない。 ( アウトソーシングはダメ)

    管理者の成長には時間がかかることから,短期に異動する者は適さない。 「ネットワークの教育・研究的意味がわかる者」という意味からも,結局,教員ということになる。
    ( 組織に長く留まることになる)

    これが,「後継者養成がされてこなかったときの管理者交替の形」という問題の論理的解である。