Up 自分は学校教育を改革できる」: 要旨 作成: 2010-02-08
更新: 2010-02-08


    自分は学校教育を改革できる」というふうに思わない者は,学校教育の改革に自ら乗り出そうとはしない。 「自分は学校教育を改革できる」と思う者が,学校教育の改革案をつくり,これを実施しようとする。 あたりまえのことを言っているわけだが,ここが重要な点である。

    自分は学校教育を改革できる」は,特殊なタイプの人間が思うことである。 実際,つぎのように思っていることになる:

    1. 学校教育はダメになっている。
    2. 学校教育がダメになっているのは,学校教育をやっている人間がダメだからだ。
    3. 自分は彼らのようではない (自分は優れている)。
    4. 自分が指導的立場に立って学校教育改革を進めることで,学校教育はよくなる。

    自分は彼らのようではない──自分は優れている」は,思い込みであり,根拠のない思い込みである。
    なぜ,根拠のない思い込みが起こるのか?
    素人だからである。


    素人の眼には,世界は単純である。
    この眼には,世界がつぎにように見える:

    1. 世界は,ダメになっている。
    2. 世界がダメになっているのは,住人がダメだからだ。
    3. 彼らはダメだと思っていない。自分はダメだと思うことができる。
      自分は彼らのようではない (自分は優れている)。

    そしてこの素人の中から,さらにつぎのように思う者が現れてくるわけだ:

    1. 自分は,指導的立場に立って世界を改革すべき者である。