Up 中国 EV バブル 作成: 2024-03-05
更新: 2024-03-05


読売新聞, 2022-03-04 から引用
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    これは,端緒である。
    ひとはこれから,EV の正体をだんだんと知るようになる。


    EV は,等品質の電力を全国津々浦々常時安定供給するインフラを要する。
    これは途方もないことである。

    そして EV は,蓄電池の大食らいである。
    EV を生産することは,ほぼ蓄電池を生産することと同じである。
    その蓄電池は,リチウムを使う。
    よって EV の生産および使用は,リチウムの供給に縛られる。
    これは,リチウム供給国が,EV に依存するようになった国を支配できるということである。


    中国は,EV 生産でトップを行ける国である。
    EV 生産でトップを行けるのは,リチウム生産でトップを行けるからである。
    中国が世界を EV に導こうとするのは,EV 依存イコール中国依存になるからである。

    しかしこの覇権構想は,夢で終わる。
    世界は,EV の高コスト (必要インフラに関する無理難題) と中国依存に甘んじることをよしとする方向には進まない。

    よって,中国が現在進めている EV 生産とリチウム生産は,バブルである。
    中国は,今後これを重荷にしていくことになる。
    EV の「地産地消」も,無理なことだからである。
    なにせ中国は広い。
    発電所をいくら増設しても,充電スタンドをいくら増設しても,とても間に合うものではない。


    よくよく吟味すべし。
    世界は,「等品質の電力が全国津々浦々常時安定供給」が夢のまた夢になる国が圧倒的多数である。
    EV は,自然観光の小さな村の中で慎ましく走るみたいなのが,分相応となるものなのである。