Up 移住者 immigrant の国 : 要旨 作成: 2021-06-28
更新: 2021-06-28


    日本人は,自発的に同調圧力を掛け合い己を縛ることのすさまじさにおいて,異常である。
    この日本人は,コンプライアンスとすこぶる相性がよい。
    日本は,このことばと出遭うや,一夜にして正義全体主義の国になる。


    ひとはいま,個人情報保護法を最高の正義として奉っている。
    若い世代は知らないだろうが,この法は,
      週刊誌の記事を不都合とする政治家が,
      週刊誌を抑えることを念頭に,
      強引に立法した
    というものである。
    当時は,言論界をはじめ各界から猛反対が起こったのである。

    この結果がいまのざまである。
    週刊誌は,コンプライアンスの時世を逆利用して,コンプライアンス警察で栄える一方。
    社会は,同調圧力で萎縮する一方。


    日本人は,正義を示されると,正義を競い合う。
    「自分は正義においてだれにも劣らない」を表さないではおれない。
    こうして個人情報保護法反対は,まさに「一夜にして」,個人情報保護法絶対に変わる。
    学校から生徒の顔写真は消え,テレビに現れる一般人の顔には一つ一つぼかしが入れられる。

    日本人の「几帳面」とは,こういうふうに現れるものである。
    よくよく吟味すべし。


    日本は,何事にも,一色主義になる。
    日本の中だけにいるとわからないが,日本はすさまじい制服の国である。
    いまは「新型コロナ」で,マスクが制服に加わった。
    全員がマスク姿は,日本だけである。

    日本人の正義全体主義は,正のフィードバックがかかるばかりである。
    この全体主義に風穴が開く契機は,内からは起こらない。
    外から入ってくるばかりである。

    それは何か。
    日本への海外移住者が増えるということである。
    実際,日本は移住者の国になった方がよい。

    移住者が自ずと現すことになる「個の多様性」は,正義全体主義を壊してくれる。
    日本のよいところは移住者にも伝わる。
    それどころか,日本のよいところを受け継いでいくことになるのは,移住者の方である。
    いまの日本人は,制服主義の奴隷でいるばかりである。