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『世界大百科事典』, 1988,「採炭機」
チェーンカッターなど従来の採炭機は下透しを目的としたもので,下透しをしたのちコールピックや削孔発破によって打落し作業を行うために人力を要した。
これに対して,ドラムカッターやホーベルは炭壁の全面を機械で切削するので,あらためて打ち落とす必要はなくなり,その後世界的に普及して,70年ころにはチェーンカッターは姿を消すに至った。
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ホーベル hobel
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『世界大百科事典』, 1988,「採炭機」
[長壁式採炭法の] 切羽に沿って敷設されたダブルチェーンコンベヤをガイドにして,くさび形の刃物を縦に並べた機体(ホーベル本体)をチェーンで引っ張って,炭壁をかんなのように切削する形式の採炭機である。
初めて実用化されたころは,切羽入口の坑道に巻上機をおいて,ホーベルを毎分6〜8mの速度で引っ張り,30cm程度の深さに炭壁を削っていた。
1949年に,コンベヤとホーベルとを共通の電動機で駆動して,切削速度を毎分20m程度に増加し,その代りに1回に切削する深さを5〜15cmに減らした新型が開発され,急速に普及した。
その後,さらに切削能力を増大して,より強固な炭層でも切削できるようにするため,コンベヤとホーベルの原動機を別々に設けるようになった。
最新式のホーベルでは,高さ1.6m,長さ3m程度のホーベル本体を,切削速度毎分30m以上で炭壁に沿って往復させ,片道数cmの深さで炭壁を切削する。
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ドラムカッターdrum shearer
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『世界大百科事典』, 1988,「採炭機」
ドラムカッターは和製語。
水平軸にとりつけられた直径1.0〜1.8m,厚さ数十cmのドラムが回転して,その周囲にとりつけられた刃物で炭層を切削する形式の採炭機である。
原則として切羽に沿って敷設されたダブルチェーンコンベヤ上を滑るそり(スキッド)の上に機体が載っている。
最初に発明されたときは,1個のドラムが機体に固定された形式であったが,その後,油圧で上下するアームの先端にドラムをとりつけて,炭層の上半も切削できる形式のものが開発された。
最新式のものは,機体の前後端にアームがあり,これらのアームの先端に各1個のドラムがとりつけられている。
ドラムは電動機によって駆動され,毎分40〜50回転する。
その周囲および前面には,超硬合金のチップを埋め込んだ刃物(カッターピック)が数十個とりつけられ,ドラム後方には,切削された石炭をコンベヤ上にかき寄せるための装置がとりつけられている。
切羽に沿って毎分3〜5mの速さで移動しながら採炭を行う。
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カッターローダーcutter loader
- 自走枠・ホーベル採炭
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鈴木商店記念館「採炭方法・採炭機械の進歩」から引用
「ホーベル」は切削部を炭壁に押しつけながら往復させ、カンナをかけるように切削する高能率の機械である。
「自走枠」(シ―ルド枠) は油圧鉄柱と「カッペ」が結合され、自動的に前進していく組立枠である。
この「自走枠・ホーベル採炭」の開始により、長年の夢であった採炭の完全機械化が実現した。
「自走枠・ホーベル採炭」の切羽(昭和43年頃)
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