Up DNAマシン──繁殖し死ぬ 作成: 2024-04-19
更新: 2024-04-19


    人は,生物である。
    祖先をたどれば,他の動物,さらに植物,菌類,細菌,ウイルスの祖先と同じになる。
    このことを示すのが,DNA である。


    生物は,DNAマシンである。
    生物は繁殖し死ぬのを定めとするが,DNA がこの定めのプログラムになっている。

    生物に無数の種があるのは,DNA は僅かに可変だからである。
    DNA の変化は,種の枝分れを意味する。
    これが累積した結果が,現前の生物系統樹である。
    無数の枝先の一つ一つが,種に対応する。

    ヒトは,この無数の枝先のうちの一つである。
    今日ではさすがに間違う者はいないだろうが,人は生物進化の頂点なんかではない。


    生物の存在の意味は,「生きられるうちは生き,繁殖できるうちは繁殖する」。
    これ以上でも以下でもない。
    ただし生物は,種の進化の中で,この意味に様々な装飾をつけることになる。

    特に人の場合は,「生きられるうち」「繁殖できるうち」の意味が,文化によって大きく変わる。
    今日,先進国は軒並み少子化傾向にあるが,それは「繁殖できるうち」の内容が変化しているからである。