Up 離脱 作成: 2024-04-23
更新: 2024-04-23


    ひとがこの時代に生きることは,つぎの二つを同時にすることである:
    1. 商品を売ることを生業にする
    2. いろいろな共同体に属する

    <商品を売る>は,<無くて済む物を無理して売る>である。
    これを生業にすることは,ストレスが大きい。
    共同体に属することは,同調圧力を受けることである。
    これも,ストレスが大きい。

    こうしてひとは,商品経済あるいは共同体から離脱したいの想いを持つ。


    「ストレス発散」は,刹那的離脱の方法である。
    各種組織も,員の「ストレス発散」をシステムに含めることになる。
    例えば,国なら「週休」を定める (労働基準法35条1項) とか。
    共同体なら「祭り」とか。


    田舎は共同体の同調圧力が強いところなので,これをストレスにする者は都会に出る。
    田舎から都会へ人が流れる傾向は,経済のみが理由ではない。

    蓄えがある者は,「悠々自適」タイプの離脱が可能である。
    「早期リタイア」は,この類である。

    生活保護を受けられれば,離脱が可能である。
    「引き籠もり」「年金生活」は,この類である。
    ブッダがさかんに勧めた「出家」も,この類である。


    バーチャルに浸るのも,離脱の一形である。
    小説,映画,マンガは,この離脱法に応えるものである。
    実際,ひとのバーチャル願望に応えることは,文化の最も大きな要素であり,したがって最も大きな産業の一つになる。

    <引き籠もってゲーム三昧>なんかは,離脱の最も進化した形ということになる。
    経済・社会保障制度・テクノロジーの高度発達の賜だからである。