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読売新聞, 2020-06-30
コロナワクチン
国内初の治験開始
医療新興企業アンジェス(大阪府茨木市)は30日、新型コロナウイルスのワクチンの治験を始めたと発表した。
大阪大と共同開発したもので、国内で治験まで進むのは初めて。
大阪市立大病院で計30人に接種する計画で、2021年春以降の実用化を目指す。
アンジェスによると、同日は1人に接種した。接種すると体内にウイルスの働きを抑える抗体ができ、発症や重症化を防ぐとされる。
計画では、20〜65歳の健康な人を対象に、ワクチンの投与量の多いグループと少ないグループの15人ずつに分け、2回ずつ接種する。
副作用や体内に抗体ができるかどうかを調べ、今秋以降、治験を数百人規模に広げる予定だ。
ワクチンは「DNAワクチン」と呼ばれる新しいタイプで、ウイルスそのものを使わないため特殊な設備が不要で、一般的な製法と比べて短期間に大量製造できる。今年度中に20万人分を生産できるという。
国内では塩野義製薬(大阪市)やKMバイオロジクス(熊本市)などの製薬企業も別のタイプのワクチン開発を進めている。
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「ウイルスそのものを使わないため特殊な設備が不要で、一般的な製法と比べて短期間に大量製造できる」──これは,つぎのことを指している:
「鶏卵を使用した従来のワクチン製造技術は生産性が低い」
ただし, 「そもそも従来の製造方法は使えない」の見方もある:
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CNN.co.jp, 2020-04-18
https://www.cnn.co.jp/fringe/35152373.html
インフルワクチン製造に使うニワトリ、米秘密農場で飼育
コロナには望み薄
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卵1個から作られるワクチンは1本。
‥‥
選ばれたウイルスは雌鶏の受精卵に注入された後、人間を宿主とする場合と同じく数日間かけて増殖する。
研究者は続けて、ウイルスを含む液体を卵から採取。病気を引き起こさないようウイルスを不活化したうえで濃縮し、抗原を取り出す。‥‥
CDC によると、卵の到着からワクチンの一般利用にこぎ着けるまでには、少なくとも6カ月を要するという。
卵による製造法がコロナワクチンに使えない理由
‥‥ 新型コロナウイルスは受容体などの特徴が異なるため、インフルエンザウイルスのように卵の内部で増殖することはできないという。
‥‥
WHOによると、卵以外の技術を使ったコロナウイルスワクチンとしては現在、20以上の候補の開発が進められている。
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ただ、保健当局者からは、新型コロナウイルスワクチンの有効性が証明され、広範な配布に必要な承認が得られるまでには少なくとも1年かかると警鐘を鳴らす声も出ている。
‥‥
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ワクチンの効果は,抗体ができたかどうかではない。
ものになる抗体ができたかどうかである。
したがって,つぎは「ワクチンの治験」とはならない:
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20〜65歳の健康な人を対象に、ワクチンの投与量の多いグループと少ないグループの15人ずつに分け、2回ずつ接種する。副作用や体内に抗体ができるかどうかを調べ、今秋以降、治験を数百人規模に広げる」
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インフルエンザワクチンを投与しても,インフルエンザに罹るときは罹る。
ワクチンで予めつくっておいた抗体は,貧弱で役に立たないのである。
罹ってから体が抗体をつくるのと,結局変わらないことになる。
そして新型コロナも,これに同じと見ることになる。
もっとも,ワクチン開発企業にとって,いまはまたとないチャンスである。
資金も獲得しやすいし,平時なら色々突っ込まれそうな研究内容も,緊急事態ということで黙認してもらえる。
実際,「TBK1依存性の自然免疫活性化経路」の研究として成果が出れば,それはそれで大いに結構というものである。
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