Up | 「55.7兆円対策 過去最大」 | 作成: 2021-11-22 更新: 2021-11-22 |
これは,2020年度の3回の財政出動に続くものである。 2020年度の財政出動の内訳は:
ここで「財政投融資」は,騙しである。 これは,「国債」と同じである。 「財政投融資」の項目を立てるのは,「国債」の額が大きくなることに対する後ろめたさと,「国債」にノイズを入れてわかりにくくしたいという気持ちが,理由である。 「債務」も,騙しである。 返済するものではないからである。 返済するものではないのになぜ「債務」ということばを使うのか? 支出には,「財源」を立てねばならないからである。 「事業規模」も,騙しである。 「事業規模」は,「財政支出」に「民間融資」(民間金融機関による融資) を加えたものであるが,「民間融資等○兆円」はテキトーに言っているだけである。 民間金融機関による融資額は,行政が決められることではない。 「事業規模」の項目を立てるのは,民間金融機関に融資努力を促しているつもりである。 そして,事業規模を大きく見せて,世の中を景気づけさせたいというわけである。 国の財政は,なんでわかりにくく示されるのか? 大衆は,国の財政は家計が単に大きくなったものだと思っている。 しかし国の財政は,家計と同じように見たら,とんでもないデタラメをやっていることになる。 そのように見られないために,わざとわかりにくくするのである。 デタラメとは何か? 国は金を造る,ということである。 実際,国は,金が要ることになったら金を造る。 「日銀の国債引き受け」がこれである。 その「国債」も,実体はキーボードから入力されるビットデータに過ぎない。 キー・タッチで,金が造られるわけである。 このことは,学校では教えない。 学校は,道徳を教えるところだからである。 人は道徳で騙しておかないと,どんな悪さをするか知れない──というわけである。 尤も,学校教員も道徳に騙されている口であるが。 大衆は,その道徳心を以て,国の財政は国民の「血税」で営まれていると思っている。 国の財政は,税を収入とし,これを遣り繰りして支出していると思っている。 彼らは,「2021年度予算の税収 57兆4480億円」の文言を,あるいは目にしているかも知れない。 しかし,これを近年の
彼らは,この度の「55.7兆円対策」「子どもに10万円」も「血税」で賄われると思っているほどに,底知れなくオメデタイのである。 近頃は,「財政健全化」は誰も言わないものになっている。 そのうちでもいちばん言わない者が,ほかならぬ政治家である。 ポピュリズムの時代には,政治家はバラマキの要求を成績にするようになるのである。 こういうわけで,財務省の者が「財政健全化」を発言したら,大炎上となる。( 「矢野財務次官バラマキ批判寄稿 波紋」) しかし,「財政健全化」が正しいかというと,そうではない。 国の財政は,家計とは違う。 いまはどの国も,財政は<金造り>でやっている。 これは,国が「金」とは何なのかをわかってきたということである。 金の本質は,<幻想>である。 金に実体は無い。 だから,「税収 60兆円割れ」と「社会保障給付金と地方交付金 合わせて 90兆円」が並び立つというわけである。 財政は,算数で考えるものではない。 |