Up 「1.8m」 作成: 2020-04-15
更新: 2020-04-15


    テレビの出演者は,互いに遠ざけ合うよう置かれる。
    このマンガ的構図は,「1.8m」ルールによるものである。

    世の中は, 「1.8m」ルールに支配されている。
    ひとはこれに従う。
    はじめは,ひとから白い目で見られることを憚るためである。
    実際,まっとうな生活は,「1.8m」ルールを逸脱する。 ──まっとうな生活の中では,ひとは「1.8m」に理屈があると思う者ではない。
    しかしひとは,馴らされていく。
    そして,ルールに従わない者を嫌悪する者に変わっていく


    「1.8m」に理屈なんぞ無い。
    あると思っている者は,言われたことをそのまま信じてしまうタイプの者である。
    言われたことをそのまま信じるのは,阿呆である。 (他に何と言えば?)
    しかし,集団パニックの時世には,この阿呆が幅を効かすことになる。

    パニックが鎮まって理性がいくぶん戻ってきたとき,ひとは,「1.8m」ルールに(やす)々と乗ってしまい,そしてルールに従わない者に嫌悪した自分を,恥じる。

    またそのときひとは,過去に癩病者に対してひとが行った仕打ちに,すごく共感できるはずである。
       《 「1.8m」などとても満足できる間隔ではない
     ──ずっと遠くに隔離されるべきだ!
    無知とは,ひとに途方もないことをやらせるものなのである。


    知識ではない,考える力だ!」を言っている教育者は,これを機会に知識の意義を少しは考えるとよい。