Up 東京都の陽性検査数・死亡数推移 (2021年9月24日まで) 作成: 2021-09-26
更新: 2021-09-26


    (1) 陽性検査数推移
    東京都の陽性検査数は,つぎのように推移している:
東京都「検査の陽性率・検査人数」



    グラフ中の陽性反応者数のグラフを取り出すと,つぎのようになる:
東京都「報告日別による陽性者数の推移」


    「陽性者」とは,陽性検査をしたら陽性反応を現す者のことである。
    検査数が増えれば,「陽性者」が増える。
    マスコミは,「陽性者」を「新規感染者」と呼び,「新規感染者」が増えることを「感染拡大」と呼ぶ。
    そこで,検査数が増えれば,「感染拡大」になる。
    「感染拡大」になると,自治体は緊急事態宣言を政府に求め,政府はこれに応じる。


    自治体は,緊急事態宣言で疲弊する。
    疲弊が積もってくると,体裁を言ってられなくなる。
    こうして,「緊急事態宣言の延長は,なんとか避けねばならない」になる。
    そこで東京都の場合は,《検査数を減らす》を措置する:
    東京都はいま陽性検査数が急速に減少し,そしてこれに連動して「陽性者」数が急激に減少しているが,これは《検査数を減らす》を措置したことの効果である。

    これまでの東京都だと,緊急事態宣言を脱けたら,検査体制をもとに戻すことになる。
    よって,検査数が増え,「陽性者」が増える。
    マスコミは,これを「感染拡大」と騒ぎ立てる。
    そこでまた緊急事態宣言となる。
    学習能力の低い長を戴く自治体は,この堂々巡りが定めとなる。
    さて,東京都は少しは変わっていけるか?


    (2) 死亡数推移
    東京都の新型コロナによる死亡者数は,2021-09-22 時点の累計で 2,861人。
    そして日別推移がつぎのようなっている:
東京都「死亡日別による死亡者数の推移」


    大衆は,「死亡者数 2,861人」を言われると,大いに恐怖する。
    東京都の人口 (1400万人),東京都の年間死亡者数 (2019年統計で120,870人) を思うことを知らないからである。

    大衆は,上のグラフを見せられると,大いに恐怖する。
    グラフのスケールを読むことを知らないからである。
    ──「死亡者数の推移」を「陽性者数の推移」グラフのスケールで描いたら,ほとんど見えなくなる。

    つぎのような比較もしてみるとよい:
 月  2019年 2021年
コロナ死亡数
総死亡数 癌死亡数
12,407 2,978 477
10,574 2,698 452
10,357 2,878 200
9,826 2,775 144
9,521 2,764 178
8,655 2,661 121
9,278 2,787 76
9,890 2,850 374
9,422 2,898
10 9,891 3,008
11 10,008 2,741
12 11,041 3,044
120,870 34,082
2019年総死亡数・癌死亡数の数値は,『令和元年 東京都人口動態統計年報 (確定数)』の第19表と第23表から


    (3) 被検査者の年齢構成
    検査数/陽性反応者数のグラフと死亡者数のグラフが対応していない。
    即ち,死亡者数は2月がピークになっているが,検査数/陽性反応者数の方は,8月が2月の2倍になっている。
    これは,被検査者の年齢構成が,変化している── (無症状か軽症で済むところの) 若い年齢層の割合が多くなっている──ためである。

    つぎは,国内の<検査で陽性反応を現した者>の年齢構成の推移であるが,東京都の被検査者の年齢構成も同様に推移しているわけである:
厚労省「新型コロナウイルス感染症の国内発生動向 (令和3年9月22日)」


    念のため
    「感染する」「陽性反応が出る」「発症する」──この3つは別のことである:

    「感染」とは,ウイルスが細胞に侵入して繁殖することである。
    いまとなっては,ほとんどの者が既に感染を経過している

    感染している者の多くは,陽性反応が出ない。
    陽性反応が出る者の多くは,発症しない。
    陽性反応も発症も,「閾値」の現象だからである。

    即ち,「陽性反応が出る」「病になる」は,0か1ではなく,薄いから濃いへのグラデーションである。
    「陽性者」「罹患者」であるかどうかは,このグラデーションの帯を二分割する区画線を書いて,判定される。
    その区画線は,人為である。