Up ことば「わたし」の効果 作成: 2016-03-30
更新: 2017-10-14


    わたしという存在の不思議は,<一回性>の不思議である。
    では,<一回性>は,どうして不思議になるのか?
    <一回性>が不思議になる構造は?

    これを考えるために,周りにいる生き物に目を向ける。
    わたしは,その生き物の<一回性>の不思議を思うことができる。
    その生き物は,自分の<一回性>の不思議を思っているわけではない。

    こうして,「<一回性>の不思議」と「<一回性>の不思議を思うこと」を分けて考えることが,論考を整理して進める上で必要になる。


    <一回性>の不思議への思いは,「わたし」のことばに導かれている。
    即ち,つぎのようになる:
      「わたし」のことばに導かれて,<わたし>を思う。
      <わたし>を思うことは,併せてみんなの<わたし>を思うことである。
      みんなの<わたし>を思うと,わたしの<わたし>を<一回性>として思うことになる。
      そして<一回性>を思うと,わたしが不思議な存在になる。
      ──「<このわたし>とは何か?