Up <このわたし>とは何か : はじめに 作成: 2018-05-11
更新: 2018-07-18


    命令中枢 (「脳」) を以て動く存在は,<わたし>を現す。
    さらに「わたし」のことばが持たれているとき,この存在は,自分と他の区別として,<このわたし>を立てる。

    <このわたし>を立てた存在は,<このわたし>を問うことになる:
      なぜ わたしは わたしなのか

    この存在は,人とは限らない。
    人の言語を持たせた人工生命体は,「なぜ わたしは わたしなのか」を問うことになる。

      「情報ネットワークで生殖繁殖する AI」を考えることは可能である。
      「危険」ということで,考えないようにしているだけである。

    このように,<このわたし>という存在は,外からこれを見る分には何の不思議もない。 ──論理のうえから,それは存在しなければならない。

    これが不思議になるのは,自分を「なぜ わたしは わたしなのか」の立場に措いたときである。 ──このときは,<このわたし>の存在の理がどう考えられるものやら,さっぱりわからない。

    論考しても問題の周囲をグルグル回るだけになる趣ではあるが,とりあえずどんなグルグルになるのかを押さえてみることにする。